先輩ママからのアドバイス
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心機一転!
志望する学校を選ぶ際に、相談されたことがあります。学校の偏差値はそんなに変わらないのだけれど、学区が違っていました。隣の学区に近年できた新しい学校に行きたいと子どもは言うのです。お母さんの意見は反対でした。「そんな歴史のない学校に行ってしまっても、卒業してからどう評価されるかわからないじゃない。将来、その学校の偏差値が下がってしまうかもしれない。そんな冒険をするよりも、伝統と確立された評価のある学校を選んでほしい」というものでした。もっともな意見です。

では、どうしてその子が自分の学区の伝統校に入りたくなかったのか、そこが問題でした。受験すれば合格できるだろう、友人もたくさんいる。自宅からそう遠くはないので通学にかかる負担も少ない。一見、悪条件は全くないのです。事実、本人も第二希望にあげていた学校でした。

その子は、「自分のことを誰も知らないところで、心機一転がんばりたいから」と言いました。現在の学区の学校に進学すれば、いままで一緒だった友人がたくさんいるのです。彼には、そのことが苦痛だったのです。いじめられていたというほど深刻なものではありませんでしたが、彼にとっては、自分の評価は決して納得できるものではなかったようです。中学に入ったとき、心機一転がんばろうとした。けれど、小学校で一緒だった友達が「あいつはこういうやつだ」というレッテルを貼ってしまった。自分がいくらがんばってもそれは3年間ぬぐいされなかった、と。
同じ事をまた繰り返すのはいやだと思ったのです。受験勉強をしているうちに、彼は自分にとても自信をつけることができました。その自信を持って、新たな環境に船出してみたい、と思ったのでした。

お母さんは、それを「逃げ」と言いました。「あんた、ここで逃げたって、また高校で同じことになったら、今度こそ逃げられないのよ!」と。「どうして逃げるの、戦って、見返せばいいじゃない!」

みなさんはどう思われますか?

私は、「逃げたっていいじゃない、誰にだって逃げ場は必要よ」という立場に立ちました。それでこの子が、いきいきと活躍できれば、こんなに素敵なことはないじゃないか、と思いました。おそらく、今の母親たちの年齢層の多くは、「負けずに頑張れ」と励ますのかも知れませんね。

その子は今、隣学区の高校に本当に元気に通っています。成績もどうやらトップクラスのようで、ますます自信をつけているようです。

ニコニコと、明るい笑顔で「学校、チョー楽しい!」と話してくれます。
秋田県 柴田さん