先生からのアドバイス
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体罰について考える
先日、インターネットのニュースサイトでこんなタイトルが目に飛び込んできました。
『体罰で中学校教諭を戒告処分』

体罰によるトラブルはよくニュースとして流れています。このニュースもまた教師による行き過ぎた暴力なのかなと思いつつ記事を読みはじめたのですが、読んでみてなんともいえない違和感を感じました。
記事によると、男子生徒2人の頭を平手で叩いた中学校教諭が戒告処分を受けたとのこと。廊下を走っていた生徒に注意をしたものの、その後また走り出したので、平手で頭を1回ずつ叩いたらしいのです。生徒には怪我はありませんでした。学校側はその日のうちにPTAの役員に対して経緯を説明するとともに、2人の保護者にも謝罪したということです。

体罰に対して厳しい対処がなされたというところでしょうが、私はこれを読んで、正直少し疑問に思いました。事情を問わず、程度を問わず、全ての体罰を禁止するような現代の風潮について、果たしてそれが正しいのかと考えてしまいました。と言うより、これを体罰と呼ぶべきなのか疑問に感じたと言うべきでしょうか。
確かに学校教育法には体罰を禁止する文言があります。ただ、体罰というのは、肉体的に苦痛を伴わせる罰のことのはずです。行き過ぎた暴力で生徒に怪我を負わせたのならともかく、この事件においては、生徒の頭を平手で1度叩き、生徒にも怪我がなかったということから、決してひどい叩き方ではなかったのではないかと思われます。しかも廊下を走る生徒に一度注意をし、聞かなかったために叩いたとのこと。私にはこれは暴力というより躾の範疇に思えます。生徒の頭を叩いた教師ではなく、教師の言葉による注意を聞かず、叩いてまでわからせなければならない行為をした生徒に非があるように感じます。

ところで、ある保護者の方から「学校で子供たちが先生をからかっている」という話を聞いたことがあります。先生がちょっとでも手を上げたら即体罰の扱いで処分されるとの風潮から、生徒たちが「手を上げられるものなら上げてみろ」とばかり先生をからかっているとのこと。しかも小学校でのことらしいです。
いくら躾でも先生が生徒に手を上げるときには、先生自身教師生命を賭けなければならないのでしょうか。生徒たちにものの善悪をしっかり教え、立派な大人に育ってほしいと願う熱血先生ほど風当たりが厳しいのでしょうか。

おかしな時代になったものです。

私は躾と暴力は区別するべきであると思います。本来家庭において行われるべき躾を学校で行い、その上で教育上の配慮の上でも手を上げたら即問題視する風潮は少しおかしいように思えてなりません。
私が以前勤務していた塾の先輩はこんなことを言っていました。
「親からも先生からも一度も叩かれたことなく一人前になったやつなんて一人もいない」
確かにちょっと乱暴な言葉かもしれませんが、私もまったくその通りだと思っています。

最後に、体罰に関するもうひとつのニュースを紹介します。
教育に関する暗いニュースが日々報じられる中で、この美談は大きな反響を呼びました。ご存知の方も多いと思いますが今一度お読みください。

『体罰を加えたことをわびる教諭に、教諭の熱意を正面から受け止めた児童と保護者』
京都府京丹後市の市立小学校で、「クラスメートへのからかいをやめなかった」とクラス全員に体罰をした男性教諭(28)が辞表を提出した。しかし、保護者のほぼ全員が辞職の撤回を求める署名を提出。思いとどまった教諭は謹慎処分が解けた8日、児童らと互いに謝罪し、きずなを深めたという。市教委は「近年、学校に理不尽な要求をする保護者が増える中、教諭の熱意が通じたのでは」としている。
市教委などによると、教諭のクラスでは1人の男児の外見を一部児童がからかい、他の児童も黙認する状態だった。教諭は「(次にからかったら)みんなをたたいて教師を辞める」と注意したが、今月4日、再びからかいがあったため、「ここで放置すると、いじめに発展しかねない」と判断、からかわれた男児を除く全員のほおを平手打ちした。
教諭は体罰をした直後、自分で校長に報告。校長室に向かう教諭に、ほとんどの児童が泣きながらついていき、校長室の周りに座り込んでいたという。
報告を受けた校長は同日夜、保護者らを集め、教諭とともに謝罪。3日間の自宅謹慎を命じられた教諭は辞表を出した。ところが、寛大な処分を求める署名運動が保護者の間で始まり、全校の児童191人の保護者ほぼ全員分の署名が学校に提出された。同時に保護者が結束し、校長あてに正直な思いを手紙につづった。「(教諭の行動は)怒りの感情にまかせた行動ではなく、冷静な対処。自分の職をかけてでも矯正しようとしてくれた先生に感動し、涙がこぼれた」「先生の行動と信念の強さを感じております。先生、もう一度、子供たちを信じてやってください。私もくやしいです」…。
児童も心境は同じだった。「これからもぼくたちのたんにんをやってください」「先生がいないと学校にいきたくない」「ぼくのせいでこんなことになってごめんなさい」…。全員が色紙に書いた寄せ書きには、素朴だが力強い言葉が並んだ。
その後、教諭が二度と体罰をしない意思を示したため、校長は辞表を返却。謹慎処分が解けた8日、うつむいてわびる教諭に、児童たちも泣きながら「私たちが悪かった」と謝ったという。

こんないい先生にめぐり会えた児童たちは本当に幸せだと感じずにはいられません。
みなさんはどのようにお感じになるでしょうか。
KSS 教育サポートサービス
代表 教育コンサルタント 平岡 寿崇